コスプレ衣装製作現場

コスプレ衣装を製作している現場からあれこれはなします。

業界人の声:コスプレと切っても切り離せないコスプレ衣装の製作現場(歴史編)

コスプレ文化が定着してはや十年近く経過します。

 

コスプレイヤーさん達なら必ず一度はお世話になったことがあるはずのコスプレ衣装、これはどこで作られているのでしょうか?

自作が主流の時代から量産時代へ

コスプレ文化は趣味のレイヤーさん達のお手製コスプレ衣装から始まりました。

その意味では当然コスプレ衣装はコスプレ趣味の方々が作っていたものです。

その頃という意味では、ほぼ20年以上前の頃の話になるのではないでしょうか。

 

皆さんの手元にあるコスプレ衣装の多くは自作ではないと思われます。

アマゾン、楽天とネットショッピングが流行ると、気がつけば市場にはコスプレ衣装が溢れかえっていました。

これはどこの国が実現したのでしょうか?

 

答えは中国です。

 

厳密には、国内の販売業者が中国に目をつけて大量に安く生産する体制を作り上げていったのです。

低クオリティとの戦いの歴史

さて、皆さんが約1万円から2万円ほどでコスプレ衣装を買っているのだとして、手元のコスプレ衣装を見てください。

縫製はひどくないですか? 生地はペラペラではないですか? パーツはすぐに壊れませんか?

しかし、そんなことにいちいち腹を立ててはいけません。

最低限着られれば良しとしましょう。

画像さえ取れれば後はフォトショップの出番です。最近はbeauty plusなどのほうが主流かもしれませんね。

レイヤー三種の神器(テープ、安ピン、裁縫道具)をコスプレ会場に持ち込んでいつでも即補強という柔軟さを兼ね備えているのが真のコスプレイヤーだといえます。

そんなわけで、けして予算に余裕があるわけではないコスプレイヤーのニーズにぴったりとハマったのが中国製品です。

何故昔の衣装はそこまでひどかったのか?

今よりも昔の衣装のほうがひどいものが多かったように思います。

これは当然のことながら長年の蓄積がよりよいクオリティの衣装製作につながっていったのだといえます。

しかし、そこまでの歴史は生半可なものではありませんでした。

想像を絶するゴミクズのような衣装が送られてきた、という話が尽きることはありません。

何故そうだったのでしょうか?

さて、ここで一般的な衣装のオーダーメイド製作の話をしたいと思います。

まず、オーダーメイドで衣装を製作する場合

1.デザインの作成(生地、構造の基本的な設計)

2.パターンの作成(構造の詳細設計)

3.縫製

4.検針

5.配送

これが一般的な製作のプロセスです。

 

中国は基本的にコピースキルは非常に高いのですが複雑な構造を扱いません。

また、デザインセンスに関しては中国人のセンスとなります。

パターンに関しても、当然複雑な構造を0から考えることはしないので、既製品から盗みながらの製作となります。

 

結果的に、こんな感じかな? という製作物が出来上がります。

これが、コスプレ歴史のほぼ初期の頃に頻繁に起こった超絶低クオリティ衣装の実態です。

それでも市場には中国製が溢れていきました

多くの犠牲の元、それでも安売りのコスプレ衣装は増えていきました。

コスプレ製作経験者の方ならわかるはずですが、自作のためにミシン、生地、パーツなどを買い揃えていると、原価と買値がほぼ同じなんていうことが多々あります。

『もうやってらんねー』という声をいたるところで聞いてきました。

現在の傾向・コスプレ衣装の高騰化と多様化

現在は、工場としての製作力は一定のレベルに上がりました。

当然今でも良かれ安かれには代わりはありませんが、それでも一時期に比べればずっと良いものになりました。

しかしながら時代は、大ヒットコンテンツではなく小ー中ヒットコンテンツを狙うように変わっていきました。

その流れの中で、現在注目されてきているのはオーダーメイド衣装製作です。

要は、自分だけの衣装を作るというものですね。

こちらに関しては、また別途記載していきたいと思います。